2017年5月 5日 12:16
府城隍廟の一番の見どころは大算盤と額書
台南を紹介するガイドブックには必ず載っている、主要観光スポットのひとつ「府城隍廟」。
台南市内中心部、青年路にある1669年創建の台湾の城隍廟の首座を占める第2級古蹟だが規模は非常に小さく、ササッと見てしまえばあっという間に終わってしまう。
しかし中にはぎっしりとさまざまな装飾がなされ、ゆっくり参拝していけばより深くこの廟を理解することが可能になる。
廟には日本で書かれたリーフレットも置かれているので、まずはそれをもらうと参拝がより楽しくなるだろう。
個人的にこの廟で一番の見どころは、入口(三川門)を入って振り返った上にある大算盤とその向かいにかけられている額書だと思う。
大算盤は「善」「悪」と書かれた脚に支えられているが、これは死後に閻魔大王がそれまでの行いをこのそろばんで計算して、六道のどこに行くのかを決める、と考えられている。
ウィキペディアによれば、「六道」とは
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(1)天道
天道は天人が住まう世界である。天人は人間よりも優れた存在とされ、寿命は非常に長く、また苦しみも人間道に比べてほとんどないとされる。また、空を飛ぶことができ享楽のうちに生涯を過ごすといわれる。しかしながら煩悩から解き放たれておらず、仏教に出会うこともないため解脱も出来ない。天人が死を迎えるときは5つの変化が現れる。これを五衰(天人五衰)と称し、体が垢に塗れて悪臭を放ち、脇から汗が出て自分の居場所を好まなくなり、頭の上の花が萎む。
(2)人間道
人間道は人間が住む世界である。四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界であるが、苦しみが続くばかりではなく楽しみもあるとされる。また、唯一自力で仏教に出会える世界であり、解脱し仏になりうるという救いもある。
(3)修羅道
修羅道は阿修羅の住まう世界である。修羅は終始戦い、争うとされる。苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、苦しみは自らに帰結するところが大きい世界である。
(4)畜生道
畜生道は牛馬など畜生の世界である。ほとんど本能ばかりで生きており、使役されるがままという点からは自力で仏の教えを得ることの出来ない状態で救いの少ない世界とされる。他から畜養(蓄養)されるもの、すなわち畜生である。
(5)餓鬼道
餓鬼道は餓鬼の世界である。餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、食べ物を口に入れようとすると火となってしまい餓えと渇きに悩まされる。他人を慮らなかったために餓鬼になった例がある。旧暦7月15日の施餓鬼はこの餓鬼を救うために行われる。
(6)地獄道
地獄道は罪を償わせるための世界である。
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とのことである。
自分は昔、ネパールのカトマンズでシャカ姓の仏教徒の家に2年ほど住んでいたことがあり、そこのおじいさんからこの六道について何度も話を聞かされたり、あちらこちらの寺院で六道が描かれたタンカ(仏画)を見ていたので何となくなじみがあったのだが、さすがに算盤はみたことがなかった。
その点は、台湾様式なのだろうか。
その向かいにかけられた額書は「(これから大算盤でお前の行いを計算するが)覚悟はいいか?」という意味で、台南三大名書のひとつとされているらしい。
書のわからない自分でも、確かにすばらしい字だと感じる。
地元の人にとっても日常的な参拝場所のひとつでもあり、常に廟の中には人がいる感じだが、ここを訪れたらぜひこの大算盤と額書をゆっくり眺めてその意味に想いをはせてほしいと思う。





【2014年10月撮影】
2011年6月27日 23:17
府城隍廟
台南市内中心部、青年路にある1669年創建の台湾の城隍廟の首座を占める第2級古蹟。
廟の全景

入口(三川門)

入口(三川門)を入って振り返った上にある大算盤

「善悪」と書かれた脚に支えられているが、死後に閻魔大王がそれまでの行いをこのそろばんで計算して、六道のどこに行くのかを決める、と考えられている。
廟の内部概観

上部にかかっている額は"(これから大算盤でお前の行いを計算するが)覚悟はいいか?"、という意味で、台南三大名書のひとつとされる。
後殿へと向かう円形の門

後殿の前庭
後殿の祭壇

【2010年11月撮影】
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